Mabox Linuxを入れてブラウジング用パソコンを構築してみた

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Mabox Linuxを入れてブラウジング用パソコンを構築してみた (2022/09) | &-'s Blog [アンドーズブログ]






メインで使っているパソコンが壊れてしまいまして、修理のため2〜3週間ほど使えない期間が出来てしまいました。

最初はスマホだけで日々の生活を送ろうとしていたのですが、ほぼパソコンに依存して過ごしている自分にはとても耐えることが出来ませんでしたので、せめてブラウジングだけでもできるパソコンを買おうと調べてみました。

真っ先に思いついたのはChromebookですが、Chromebookには自動更新ポリシーという考えがあり、古い機種はサポートが切れるようになっています。中古相場で出回っているものは古いものが多く、最新機種となれば2万円前後が相場となるでしょうか。

自分がLinuxにまともに触れたのは家にあったXPデスクトップに「elementary OS」を入れたときですが、今回はせっかくなので別のものをインストールしてみることにしました。



まず、インストールするパソコンですが、Dell Inspiron 11 3180をフリマサイトでクーポン適用で5,000円程度で購入しました。

OS:Windows 10 Home 64bit (S モード)/Office:なし
画面サイズ:11.6インチHD(1366x768)/パネル:非光沢
CPU:AMD A6 9220e(コア:2/キャッシュ:1MB/最大:2.4GHz)
メモリー:4GB DDR4 2400MHz/保存装置:64GB eMMC
GPU:AMD Radeon R4



Core iシリーズを搭載した同価格帯の中古ノートもあったと思うのですが、あからさまにデザインが旧世代のものだったりして好みではなかったので、この機種を選びました。元々Core m3-7Y30版のInspiron 11 3000 2-in-1(3179)を所有していたこともあり、デザイン的に好みだったのもあります。

Windows10を動かすにはどう考えても厳しいAMD A6 9220eと4GBメモリーの組み合わせですが、CPU Single Thread RatingではAMD A6 9220eとChromebookに採用されていたIntel Celeron N3350と同等程度ということでしたので、なんとか動くかなと判断しました。


さて、今回インストールしたのは、Mabox Linuxです。

Linuxについてほとんどわからない人が調べた感覚ですが、自分の求めているものに近いと感じました。

①Mabox LinuxはManjaro Linuxとベースとしており、Manjaro LinuxはArch Linuxをベースとしているため、ローリング・リリースが採用されている。

ローリング・リリースとは常にシステムを更新していく仕組みであり、Windowsであれば「Windows Update」が同様の仕組みに該当するように思うのですが、インストールしたソフトなども最新版をチェックして更新してくれるというさらに進んだ機能になっているようです。これは便利。自分でも名前くらいは聞いたことのある「Ubuntu」は固定リリースというものを採用しているらしく、システムを厳格に管理したいわけではない自分にはローリング・リリースのほうが馴染めそうです。

②Mabox LinuxはManjaro Linuxをさらに軽量化

Arch Linuxは上級者向けで設定が難しいようなのですが、それをGUIで簡単にできるようにしたのがManjaro Linux。LinuxにはAndroid OSでいう「ホーム画面」のような概念があるようで、それを「デスクトップ環境」と呼ぶようです。昔Winampというオーディオプレイヤーをパソコンで使ったことがありますが、それの「スキン」に近いようなものかもしれません。 (ウィンドウマネージャーとか色々書かれていたけど、よくわからないので間違っているかも)

Mabox Linuxには、Openboxという環境(?)で動作しているらしくシンプルゆえに動作が軽いとかなんとか。tint2パネルというものがWindowsのタスクバーに当たるもので、Conkiesという情報表示ウィジェットのようなもので現在のCPU負荷状況はメモリ使用状況などを表示することが出来ます。jgmenuが導入されていることで機能に右クリックからアクセスできるようですね。

リッチなデスクトップ環境となると、Ubuntu Unityなどがあるらしいのですが、結局ブラウンジングしかしないのだったら、ブラウザを起動以外の操作はほとんどする必要がないわけで、シンプルに高速に動作するならそちらのほうがいいわけです。

③Mabox Linuxはターミナルを使わなくても基本操作は大丈夫
Linuxというとコマンドを打ち込んで操作をするという印象がありましたが、基本操作はすべてGUIから行うことが出来るので、自分みたいなド素人でも問題なく操作出来ます。わからないのに使うなとか言われると返す言葉がありません。




というわけでインストールしていくわけですが、ほとんど触ったことがなかったため、結構時間がかかりました。方法を書いておけば役立つかもしれないので残しておきます。

●必要なもの

USBメモリ
Windowsパソコン (自分はネットカフェをお借りしました)
インストールするパソコン
※すべての環境でインストールを保証できるわけではありません。自己責任ですよ。
※この手順では既にインストール済みのOSは消えます。Windowsが入っていたらWindowsは使えません。

●USBメモリにMabox Linuxを書き込み

Mabox Linuxをダウンロードする
自分がダウンロードしたのは下記のバージョン 2.2GBあります。困ったらDownloads/Weekの量を参考にすれば良いかも。
mabox-linux-22.07-Istredd-220720-linux515.iso 2022-07-20 2.2 GB

RufusでISOを書き込む
Windowsで、RufusをダウンロードしてISOファイルを書き込みます。DDモードというので書き込まなきゃいけないようなのですが、ISOファイルを読み込ませると自動でDDモードになったので難しいことはありません。

●USBからMabox Linuxを起動、そしてストレージにインストール

Boot順序をUSBメモリに変えてUSBから起動します。

DSC_0025.jpg

ブートオプションが出てきますが、Boot with proprietary driversを選べば良いみたい。

DSC_0026.jpg

待っていると起動します。大体は右クリックしたり、押せそうな場所をクリックするとメニューが出てくるので操作できると思います。右クリックを押すと「Install Mabox」があるので押します。先にWIFI繋ぎたくなるのですが、先にWIFIを繋ぐと文字化けして読めなくなりますので注意。

DSC_0028.jpg

順番を守ると、ちゃんと読める状態で表示されます。先にWIFIを繋ぐと文字化けで□□のような表記になります。この画面でインターネットに繋がっていないよ!と出るので、ここでようやくWIFIを繋ぎます。

DSC_0027.jpg

このあたりを押して、「Available networks」からサクサクっと繋いで行きましょう。

Locationでは Region:Asia  Zone:TokyoにしてKeyboardはそのままで。現時点で日本語の表示設定は出来ないようなので、後で設定します。

PartitionsではErase disk Swap (with Hibernate) ext4を選びました。

インストールが終わったら、電源を落としUSBメモリを抜いて、ストレージにインストールされたMabox Linuxを起動します。インストール画面では、再起動するか最後に聞かれるのですが、USBメモリを抜くタイミングが難しそうだったので、自分は一度パソコンを終了してから、手動で立ち上げ直しています。

●日本語環境を整えるーフォントのインストール/日本語入力システムのインストール


起動後にはMabox Welcomeが立ち上がります。最初の操作としては便利でありますが、右クリックからメニューに入れるため、「Launch at start」のチェックを外してExitで閉じてしまいましょう。

右クリックから (以降の作業はほとんど右クリックから出来るので省略します) Mabox Config → Mabox Control Center → Software → Software Update を起動します。自動でソフトウェアの更新がないかチェックしてGUIで更新してくれます。ターミナルだとpacmanを使うことになると思うのですが、コマンド覚えてなくても大丈夫なのは、Windowsしか触ったことのない自分には助かります。

DSC_0030.jpg
(すべてGUIでインストール可能)

ソフトウェアの更新をした後に、同画面のBrowseを押して「noto-fonts-cjk」を検索しインストールします。日本語を表示させるためのフォントが含まれています。

Mabox Control Center → Software → Install Popular Applications → Extend language support → Manjaro Asian Input Support Fcitx を選択してインストールします。日本語入力をするためのシステム関係のファイルが自動でインストール出来ます。途中出てくる選択肢では日本語を選んでくださいね。

ここまで終わったら一度Reboot (再起動)します。

●日本語環境を整えるーシステムへのフォントの適用/日本語入力システムの設定/ロケーションの変更

再起動後、

Mabox Contral Center → Look and Feel → Openbox Configuration Manager → Appearanceを開き、Fontsを「Noto Sans CJK JP Regular」もしくは「Bold」に設定します。検索窓に途中まで手打ちするのが良いと思います。


Settings → Fcitx Configuration (Input Method Congratulation) → Input Method → + → Only Show Current Languageのチェックを外す → Mozc を追加します。現時点でまだロケーションを日本語にしていないためチェックを外さないとMozcが出てきません。Keyboard - English (US)はマイナスで削除します。

同画面にあるGlobal Config で Trigger Input Methodを押して半角全角キーを押す→Zenkakuhankakuとなる。これで日本語入力の変更が半角全角キーを押せば出来るようになります。


Mabox Control Center → System/HW → Locale Settings → Add → 日本語 →日本に設定します。EnglishはRemoveします。

ここまで終わったら一度Reboot (再起動)します。

●ブラウザインストール

LinuxにはブラウザとしてChromiumがありますが、Chromiumでは2021年3月15日以降、APIの制限によって同期機能が使えなくなっている重大な問題があります。メインPCがWindowsであるため、ブックマーク等が共有されないこととなるのですね。その回避策として、AURに公開されているGoogle Chromeをインストール方法を選びました。


Mobox Control Center → Software → ソフトウェアの追加と削除 → ≡ → 設定 → サードパーティー → AURサポートを有効にする。同画面でアップデートがあるか確認するも有効にします。

AURというのは、Arch User Repositoryのことで、Arch Linuxユーザーが公開したソースコードからビルドしたものを使える仕組みのようで、より多くのアプリ開発の恩恵を受けられる仕組みのようです。通常の公開先 (pacman)では入手できないアプリをここから取得できるようになります。

同検索窓でAURを選んでから「google-chrome」を検索、インストールします。途中の過程を見ているとビルドという文字列を見ることが出来ますね。

AUR からパッケージをインストールする公式の仕組みは本家Arch Linuxでは公開されていないようで、Manjaroに搭載されているGUIのパッケージ管理ツール (先程から使っているソフトウェアの追加と削除) の機能内でビルドを実現しているようで、このあたりがコマンドが必要ないのは本当に便利です。このGUIのパッケージ管理ツールのことはPamacというらしいですね。

●環境整理


2022-07-29_10-52.png

ここまでくればブラウザは既に使用可能な状況になっているのですが、ブラウザ以外の機能はほとんど不要なので少しカスタマイズすることにしました。

Mabox Config → Wallpaper → Generate (ImageMagick) から壁紙を単色に設定

Mabox Config → Autostart → Edit autostart file (Advanced) にて tint2 (Windowsでいうタスクバー) を起動しないようにする (#でコメントアウトする)
使用時の基本がjgmenuを使った右クリック操作となる。アプリの切り替えはAlt+Tabで。

## Panel
# (sleep 1s && mb-tint2-session) &



Mabox Config → Conkies → Conky Editor → sysinfo_mbcolor.conkyrc を選んで開く。
内容を以下のものに変更して別名で保存する。上書きすると多分戻せない。
Mabox Config → Conkies → Choose Conky → 別名保存したものを開く。

conky.config = {

own_window = true,
own_window_type = 'desktop',
own_window_transparent = false,
own_window_hints = 'undecorated,below,sticky,skip_taskbar,skip_pager',
own_window_colour = '#142c2c',
own_window_class = 'Conky',
own_window_title = 'Mabox Sysinfo Bar Conky',

alignment = 'top_left',
gap_x = 30,
gap_y = 60,
minimum_width = '200',

use_xft = true,
font = 'Ubuntu:size=14',
xftalpha = 1,
override_utf8_locale = true,


draw_shades = false,
default_shade_color = '#222222',
draw_outline = false,
default_outline_color = '#222222',

default_color = '#5e81ac',
color0 = '#f2deb6',
color1 = '#bf616a',
color2 = '#8fbcbb',
cpu_avg_samples = 2,


draw_borders = false,
stippled_borders = 3,
border_inner_margin = 8,
border_outer_margin = 8,
border_width = 1,
draw_graph_borders = true,

background = true,
no_buffers = true,
imlib_cache_size = 0,
short_units = true,
double_buffer = true,
update_interval = 1,
};
conky.text = [[
${voffset 10}$alignr disk ${color0}${fs_used /} - ${fs_size /}
$alignr$color memory ${color0}$legacymem - $memmax
$alignr$color CPU ${color0}$cpu%
$alignr ${time %Y/%m/%d} - ${time %k:%M}
]];



●環境を構築してみて

Chromeブラウザをリサイズをしたときにすごく動きが遅くなる。
HDMIケーブル外したときに自動でディスプレイの状況が変更されないのが面倒。
多分このあたりの解決法はあると思うので調べます。


メモリは案外使用しないので、4GBで十分。ブラウザで720p動画見ても常に2GB切るくらいで推移している。
CPU使用率は720p動画+HDMIで外部ディスプレイに出力で95%くらいまで行くことがある。動画を再生させながら別ウィンドウでブラウジングすることも可能。1080pではコマ落ちするのでかなり厳しい。全画面表示との切り替えを押すともたつく。

WindowsだとCore iシリーズのCPUで要求される性能のことをこの貧弱スペックのパソコンで出来ているので十分だと思います。そもそもChromeという重いブラウザで再生させているのも問題だと思うので、他のブラウザ使えば解決するかもしれませんね。

実はMabox Linuxを入れる前にChrome OS Flexを入れていたのですが、Chrome OS Flexは完成度が高い。Windowsの操作感で悩まず使えた上に、上記のHDMI接続の問題等もまったくないので、安心して使えますね。Chrome OS Flexを同じパソコンで動かしても、720pは再生出来たので、OS自体が重いと思っていましたがそこまででもないのかもしれません。

5,000円程度のパソコンでここまで動くのであれば十分すぎると思いますね。メインパソコン戻ってくるまでは頑張ることが出来そうです。
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