明日を変えるならスポンジから 暮らしの道具を選ぶこと / 一田 憲子

「芸能人だと誰が好き?」と話題作りとために話されるこの言葉に自分はいつも返答に困る。この言葉は、相手がわからない人を出しても何も盛り上がらないのである。
自分は昔からあんまり 芸能人 というか人に対して継続的に興味を持ち続けることがなく、例えばその人が何かをして露出しているときはそこから認知はしているけど、その人自身を好きになるということはあまりないように思う。
憧れや好感を持っている人は本当に少なく、それはどちらかというと友人などの身近に多いような気がします。内面を知らないのに、好きになることが出来ないタイプなのかもしれません。
そんな自分でも好感を持っている人は少ないながらもいて、DJでいえばGrant Nelson。Youtubeでのプレイでしか見ることは出来ませんけども、音楽的な目線を常に持っていて、過去と新しいものを融合させるのが上手い。
この本に載っているイイホシユミコさんも好感を持っている人です。イイホシユミコさんはシンプルでさまざまな生活に馴染むような食器を作っている作家さん。
うつわがツールとなってそれぞれの人の想いが
浮かんでくるような作品を作りたいと常々思い制作している。
手づくりのものは作り手の手跡が残らないように。
プロダクトのものは味気ないものにならないように。
「手づくりとプロダクトの境界にあるもの」をコンセプトに製作している。
(PHILOSOPHY / yumiko iihoshi porcelain )
真ん中を意識し、維持し続けることはとてもむずかしい。自分が考える真ん中が実は真ん中ではなかったりすることなんて当たり前に存在するから。
「明日を変えるならスポンジから 暮らしの道具を選ぶこと」という本は一田 憲子さんという方が書いているのですが、この方は『暮らしのおへそ』の編集ディレクターを務めています。暮らしのおへその雰囲気が大好きで、深く踏み込みすぎないのに、その人の芯が見えるような切り口は、飾られた表面を見るよりも内面にアクセスできるような不思議な感覚があるのです。
一田 憲子さんとイイホシユミコさんにどのような繋がりがあるかは自分はわかりませんが、どこか似たような雰囲気の心地よさを感じます。
さて、この本の中でイイホシユミコさんは
きっと私たちは若い時期、ストライクゾーンを狭めながら、ものを見極める中心点を探すのだと思います。一度「まんなか」がわかりさえすれば、今度はその枠を広げても、決してぶれることがない
(P.11 / イイホシユミコ / 明日を変えるならスポンジから 暮らしの道具を選ぶこと)
と書いていますが、まさにそのとおりだと思います。どうやら所有量は少ない方のようなのですが、今あるようなプロダクトが出来上がるのは多分「まんなか」を見極めようとしたから。ミニマリストは物を捨てるということに目が向けられがちですが、本来は究極の端っこを見て、適切なまんなかと比較できる人じゃないかと自分は思うんです。
自分の居る位置を客観的に評価することができ、それを知っても好きであること。こんまりさんの言う「適正量のカチッとポイント」と、現在のポジションの認識のズレがなければ、物の多い少ないは自分が追い求めた先の結果であり、自然なこと。
さまざまな方向から「好き」であることが定まると、周りからどう見られるかどうかよりも、その感情が優先される確率が高まるかと思います。人からこう見られるからこうしない と悩んでいるうちは、多分「好き」が実感できていないのじゃないかと。
一般としては女性向けとして分類される本だと思いますが、男性でも一度そのフィルターを外して、書店でページをめくって「はじめに」を読んでもらいたい本です。「はじめに」で共感できるのであれば、多分最後まで読んでいて興味深い本だと思います。
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