盛岡の SICKth [シックス] で聞くハウスミュージックのキックは最高

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最近クラブに行くことはめっきりなくなってしまったけれども、相変わらずソウルフルなハウスミュージックは好きです。

クラブに行くことがなくなってしまった理由は、クラブの雰囲気が馴染まないのと、クラブの良い音響と言われるものが良いと思わないからです。

最近友人がクラブミュージックにハマっているとのことで、盛岡に出来た新しいクラブに遊びに行ってきました。なんとゲストDJは、ソウルフルハウサーにはお馴染みのEric Kupper。Hideo Kobayashiのリリースツアーも兼ねているようです。

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商店街から下っていく階段を降りて地下1階に作られた、SICKth (シックス)というクラブ、このイベントをもって営業スタートとのことで、音響システムにも期待をしていきました。

事前にテクノ・ハウス向けに音響の軸を合わせていることを聞いていたので気になっていたのですよね。当方へっぽこながらもソウルフルハウスDJなもので、やはり自分が好きなジャンルの音がよく聞こえる環境があれば良いですよね。

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バースペースとフロアはドア等の区切りはなく、オープンでクリーンな作り。壁はかなり素材を考えて作っているようで、大音量にもビビらない作り。

東京でも経験しましたが、壁で手を抜くとせっかくスピーカーシステムを良いものを揃えても壁がビビってしまって鳴りきらないのです。フロア上には、振動を誘うようなタバコの吸殻入れなどは設置されておらず、音を中心に考えているのだろうなぁと感じます。

良い音といっても様々な音の傾向があると思いますが、どのクラブでも見られるような mf を fff で鳴らし続けるようなそんな音が飛んできます。ハイもローも絶妙なEQバランスには調整されているらしく破錠した音は一切ありませんでしたが、左右スピーカーから出力されている高音域のバランスが、左右差があったのが少し気になりました。フロア側から見て左側のスピーカーのほうがハイがやや強い感じですねぇ。

ウーファーユニットとメインユニットを重ねるシンプルなスタイルが良いのか、たくさんスピーカーが配置してあるクラブよりもかなり締まりがあるキックが鳴ります。音の指向性はそんなに感じることが出来ず、ボーカルは大音量の低音に埋もれ気味で、本来繊細なニュアンスをもって録音されているだろう音は聞き取ることは出来ません。クラブサウンドにどこまで求めるかというのは人それぞれかと思うのですが、クラブの良い音響が良いと思わないのにはこの理由があります。

音が遠くに飛ぶことを意識するあまり、繊細さに欠けること。空間の奥行きや左右の広がりまで意識が回らないこと。最近のプログレッシブ・テッキーな4つ打ちなら問題にはならないかもしれませんが、歌モノだとこれの差で聞こえ方がまったく異なってきます。


ただし、このSICKthにおいては機材を導入してから時間が経っていないことから、今後の設定を煮詰める・機材が馴染んでくるとさらに良い環境が出来ると思います。オープン1日目にして想定以上の良い音が出ていると思いますから、これで満足することなく北東北最高の音響を目指して欲しいものですね。スピーカーを安易に増設するのではなく、箱の規模で鳴らし切る最高の音を研究するだけで、きっともっと良くなります。

箱が良い音を伝える努力をして、良い音を紹介するDJがいて、良い音を感じるクラバーがいます。良い循環を作ること、それは文化構築には大事なことでしょう。

辛口で書いてしまいましたが、かなり良い音だと思います。このような箱が出来たことが嬉しいですね。クラブだったら唯一通ってもいいかも。




さて、イベントについてですが、Eric Kupperが過去のキラーチューンを大量に流してくれたのが嬉しいです。

Samantha James – Breathe You In (Eric Kupper Remix)
Solu Music Feat Kimblee - Fade (Eric Kupper Remix)
AK ‎– Say That You Love Me (Francois K & Eric Kupper Japanese Vocal Mix)
Samantha James - Rise (Eric Kupper Remix)
YUKI - Joy (Eric Kupper Club Mix)

まさか2017年にEric Kupper自身のプレイでこれらの楽曲が聞けると思っていませんので、感動してしまいました。さすがにこれらが流行った時代から10年以上経っているわけで、フロア全員が楽曲を知っていたというわけではなかったようですが、反応を見る限りでは数人はガッチリ知っていたようで、ソウルフルハウスと呼ばれる音楽が廃れずに心の中に残ってることが嬉しかったですね。

Hideo Kobayashiは普段聞くハウスの範囲外の音だったので音自体はドツボにはハマりませんでしたが、EQの正確さ、音量の合計値をコントロールすることの緻密さ、音源をリアルタイムで組み合わせていくことの斬新さ、すべてがDJとしてハイクオリティーでした。DJしているときの見た目がすごくカッコよくて、引きつけるDJとはこういう人なんだろうなぁと感じましたよ。



SEL- FLOWERED TEARS - QUANTIZE 2017 (2017年リリース曲の中で、4月現在最も最高だと思っているソウルフルハウスです)

グルーヴある音楽よ永遠なれ。グルーヴある音楽がシーンから受け入れられなくなっても自分は愛し続けます。
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コメント

お久しぶりです。
Eric Kupper来てたんだ。
ここ札幌にも何度か来てて、朝の7時8時まで
プレイしてました。

そろそろDrivin'シリーズも作ってくださいよ。

>> fnt さん

普段カラダを動かすことがないのでバッキバキで、睡眠不足もあってイベントの次の日に爆睡してしました(笑)

Drivin' は次期ナンバーがキリのいいところなので、選曲をずっと考えているんですよ。中途半端な楽曲は入れたくないので、良い曲を探っているところです。

近年ではソウルフルハウスのMIXもだいぶ少なくなった印象ですね。

コメントの編集

最近はソウルフルなのは確かに少ない気がしますね。

Drivin'製作の刺激になればと思いちょと前に作った
MixをUpしました。
これでも聞いて作る意欲をかき立ててください。
ありきたりなソウルフルハウスです。

http://firestorage.jp/download/033c993fd6c3887cc540b6289e8e68d4ba683fac

>> fnt さん

fntさんのMIX! めっちゃ嬉しいです♪
ありがたく刺激いただきます。

コメントの編集

忘れてました、曲目リストです。
ここのコメント欄だと英語が多くてスパム扱いになるみたいなので、面倒でもこちらからまたDLしてください。

http://firestorage.jp/download/3c5bef9bb5365431dc7b206e97f74aaa22dced9b

Drivin'楽しみにしてますね。

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