2016年ベストトラック 井上苑子 - ナツコイ
2016年、もっとも自分の中に響いた曲ってこれだと思います。邦楽で優れていると感じる曲は、たくさんありますけど狙っていないようにパット見聞こえるのに、実は凝ってるように聞こえたのは、光永亮太のALWAYS以来かな。
シングルの中には Instrumental トラックが収録されているのですが、実によく出てきている曲だと思います。作曲に関わってるのは、井上苑子さん本人と、中村瑛彦さん。
平田 祥一郎、松原 憲が在籍するSUPA LOVEにいる人のようで、納得してしまいました。
まず、全体を通して明るいトラックで、コード進行も普通に感じるものが使われています。イントロ10秒 (動画 1:04)でジャン ジャン ジャッ ジャッ ジャッとギターとドラムで合わせてきて、8分音符のバスドラであげて、抜いて間奏に突入させるつかみの良さ。
Bメロの初めにも、出だしのような決めの注目要素をうまく作っています。Bメロはじめくらいまでは4分音符頭でキーとストリングスが動いているのですが、CD音源 1:11 (動画 2:05)あたりにキーがスウィングするようにリズムがはねたと思ったら上昇していくきっちりな8分音符が途切れるてっぺんにベースの美味しいところが持ってこられています。
多分この曲がポップス的なのに気持ち良いのは、動く部分 (スウィングするようなグルーヴ) と 安定の部分 (楽譜通りあまり跳ねない)が交互にうまく取り入れられているからな気がするのです。
2番Aメロには1番で聞こえなかった音、A♭ A A♭ Aというフルートの音が入っていますが、これがまたいい味出てます。2番のBメロは1番と全然違う流れですが、違和感ありません。
Cメロで惹きつけておいて、最後のサビに感動を持っていくかと思いきや、Cメロのあとにさらにタメがある。CD音源 3:40 (動画 4:33)の連符こんな続いたらテンションあがりますよね。それで同様の抜きを行って、最後のサビへ。
CD音源 4:16 (動画 5:08)のあたりがクライマックスです。今まで持ってこなかった泣き系コードを鳴らしてストリングを高めで鳴らして焦らした後に爆発させます。これのために雰囲気を作り上げてきたといっても良いくらい楽曲前半の流れが緻密。ピアノがグリッサンドで降りてきてキラキラ爆発で、サビの最後に戻ります。最後なのでサビも伸ばして伸ばして、余韻を延長していますよね。
井上苑子元々路上ライブ活動をしていた人ということもあって、楽曲内にはアコースティックなギターの音がカチャカチャ出てきますが、カチャカチャ感気持ち良い曲を聞いたのは、植村花菜のミルクティー以降ではあまりなかったでしょうか。
J-POPに含まれるギターの弦の音って、あんまり楽曲内で有用な意味を持っているように思えない楽曲も多い。
きっと、きっとね。 - でんぱ組.inc
多分、中村瑛彦さん今後もチェックしていると面白い楽曲出してくれるんじゃないでしょうか。期待しています。
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